石火矢と焙烙火矢

先日、暇つぶしに歴史書を何冊か購入したのですが、その中に村上水軍の本があります。

「村上水軍全史」
森本繁著 新人物往来社 2008年1月10日初版発行

帯に「はじめて描かれた、瀬戸内・村上水軍の歴史。」とありますが、村上水軍の本って結構出てるし。学研M文庫とかで読んだことあるんだけど、まあいいか。



通史的にまとめてあり、村上水軍の家系的成り立ちはかなり考証がしっかりしていて勉強になります。
また、大三島の鶴姫の話なんかは、ちゃんとした物語として読みたいですね。
16歳の可憐な少女が、討ち死にした兄の代わりに水軍の指揮を執り、押し寄せてきた圧倒的な大内水軍を夜襲で大損害を与えて撃退したという逸話で、悲恋の姫君としても興味深いです。
ウィキペディアに詳しく書いてあったので、興味のある方はどうぞ。



で、色々面白いことが書いてある本なので楽しく読んでいたのですが、村上水軍が使用した武器の解説のところでちょっと分からなくなりました。


村上水軍が「石火矢」を使っていたということは知っていたのですが、浅学な私は「石火矢=鉄炮」だと思っていました。

なぜなら、石火矢というのは「国崩し」とも呼ばれた「佛狼機」という後装式の青銅砲の事を指すことがあります。広義では大砲のことです。
村上水軍は大型の「安宅船」を用いておらず、主に中型快速船である「関船」を用いた機動戦で海戦を行ったのですが、大型の大砲を搭載できるような船ではありません。最大の利点である機動力を殺ぐことにもなります。
関船に搭載できるのは個人携帯の武器が限界と思うので、「佛狼機」以外に「鉄砲」という意味があると思っていた訳です。



ところが、この本によると「石火矢」は、鉄の筒状の武器に火矢を装填して火薬で飛ばす武器とあります。
つまり、工兵の投擲器のようなハンドグレネード的な兵器と解釈できます。
(旧日本軍の投擲器は、迫撃砲や噴進砲の発射機に近い形状の兵器ですが)


さらに火矢の代わりに焙烙を射出する兵器を「焙烙火矢」というそうなのです。
「焙烙火矢」って矢の先に焙烙玉をつけた弓兵器の一種だと思っていました。


「焙烙」というのは、火薬や松脂を混ぜ合わせて作った火薬兵器で、陶器製や紙製の丸い器に詰めて投擲用の紐が付いているそうです。
「そうです。」という伝聞系なのは、色々な解説があってどれが本当なのか私の中で判断が付いていないから。
海戦用の兵器なので火攻め用の燃焼兵器だと考えていますが、火薬の爆発力による陶器片を飛散させる手榴弾のような兵器であるという解説も多いのです。

ついでにいうと、実物を見たことがありません。一度見ると判断付くのでしょうが。



とまあ、海賊の火器というのは色々な書物に記載があるのですが、これがそうだ!という資料にお目にかかったことがありません。
やっぱり水軍の指南書か軍学書を読まないとわからないのかなぁ。


だれか、詳しい人がおられたら教えてください。奥が深いです。

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