俺の歌を聞けぇ!

仕事で結構、電車やバスの移動があるのですが、移動中に読む本がないなぁと本屋で物色です。
いや、流石にこの年になると、ラノベを電車で読むのはちょっと恥ずかしいです。
「ベン・トー」とか買っただけでまだ読んでないんですけどね。


さて、手に取ったのは、学研歴史群像新書の「神変 関ヶ原」(伊藤浩士著)です。

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戦国シミュレーションで関ヶ原合戦というと、とてもメジャーというか、玉石混合で氾濫しているような状況ですが、パラパラと捲って、ちょっと面白そうだったので読んでみる事にしました。


【あらすじ】

醍醐の花見の後、豊臣家の跡取である秀頼が急死します。天下人たる秀吉は一粒種の死に錯乱状態となり、已む無く、大老や奉行が後継者を選びます。
色々な候補の中で次の関白に選ばれたのは木下勝俊。秀吉の甥ですが若狭の小大名で、目立った武勲や政治力がある訳ではありません。
それを見た徳川家康は次々と無理難題を吹っかけますが、側近に登用した真田信繁や大谷吉継らとテキパキと処理、ラチがあかない家康はとうとう前田利長に暗殺されそうになったガセネタをでっち上げて兵を挙げ、勝俊も謀反として家康討伐を命じます。
ここに豊臣と徳川の覇権争いが幕を開けます。



木下勝俊なんて知ってる人は相当戦国時代に詳しい人だと思います。
歴史での関ヶ原では東軍に所属して鳥居元忠と伏見城を守っていましたが、西軍が攻め寄せる前に逃げ出してしまい、それが元で改易されています。
歴史的にはほとんど何もしていない人です。



この小説でも、関白豊臣勝俊はものすごく弱い上に、小大名出身ということもあり西軍大名らから軽んじられています。
そして、合戦の采配も部下の大名達に握られてしまいます。
が、圧倒的に強い徳川家康に部下である大名達が連戦連敗、それと相対して勝俊の権威もどんどん上昇していきます。

そして、この人の得意技が「和歌」。ケンカはカラッキシですが、得意の和歌を連歌師仲間に託して全国に派遣し、戦後の褒美をエサに次々と大名達を西軍に引き込んでいきます。

この手の小説では、超人的な軍師が家康の裏をかいてコテンパンに叩きのめすというのがパターンですが、この作品の家康はまさに圧倒的で一人だけレベルの違う強さ。並み居る西軍の大名達を次々と一蹴していきますが、負けても負けても和歌の力で味方を増やす勝俊は、何時の間にやら徳川軍を圧倒する戦力を揃えて決戦を目指すと言うのが2巻までのお話。



この小説では秀忠が結構好人物に描かれていたり、忍者が別に超人的な技で任務を果たしていた訳ではないよとか、結構考証がよく出来ていると思うのですが、何分、元の設定が結構ぶっ飛んでるので、ハチャメチャ感がなんとなく漂っています。

もちろん家康も色々策を練っていて、内応者を作ったり、囮部隊で敵をはめたりと頑張っているのですが、家康が徳永寿昌を寝返らせると、勝俊は筒井定次を和歌の力で味方につけ、家康が脇坂安治を内応させると、勝俊は毛利輝元を和歌の力で味方につけるという、まさに和歌の力は万の軍勢より強し!という状況に。


色々と考えてある作品なので、次の巻が楽しみです。
ちなみに連戦連勝のはずの家康が直属5万にまでいつの間にか減ってるのに、勝俊は2巻末で軍勢が10万超えてます。
でも負けるんですがw

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